21st May 12
会話の速度
E=mc●とは有名な特殊相対性理論のエネルギーと質量を示す関係式ですね。mが質量で、cが速度とのことです。物理の門外漢なのですが、われわれのビジネスコミュニケーションの出力や成果も、その質量(内容)と速度で決定されるのではないかと考えています。
特に速度がエネルギーに対して、より影響を及ぼす点もコミュニケーションと似ていると思います。ビジネスで与えられる時間は限られています。同じ時間内でビジネスの競争相手が2倍の説明ができる場合、競争は圧倒的に不利になるかもしれません。
もっと分かりやすい事例ではインターネットや通信回線のブロードバンド化ですね。光回線になぜ価値があるかといえば容量と速度ですね。ハードの世界では、コミュニケーションにおけるもっとも重要な点が速度と容量であることは充分認識されています。
それでは英会話の最重要点は何でしょうか。そのことを考えるうえで、大きなヒントになるのは現行の「iBT TOEFL」におけるスピーキングの採点方法です。公式ガイドでは、話すのが遅いことや話している途中で止まることを最大の減点ポイントとしています。決められた時間内で提供できる情報量、つまりアウトプットが少ないために、大減点となるのです。そしてアウトプットが少ない日本人のスピーキング得点は、国としては世界最低なのです。
日本が韓国や中国と競争して商売しようとするならば、いかに早く外国のローカル情報をつかみ、いかに早く製造ラインを組み替えられるかがカギになります。しかし、外国および日本のキーパーソンの情報インプット能力とアウトプット能力が低いと、とても勝負になりません。
その対策として日本人を見限って外国人採用を強化する企業もあります。ただ、キーパーソンにかかわることなので、外国人や、すぐ辞めてしまうような人だけで固めるのは相当なリスクがあります。やはり生え抜きの人材育成が必要です。ただ、留学機会を設けても高速コミュニケーションが可能な人材を育てるのが難しいことも事実です。
根本的な解決法は、英語の発音はスペルの表記通りに時系列で発音されているわけではないという点を理解することです。例えばflowerの発音は、この時系列で音を出しているわけではなく、F、L、W、Rの音は、発音の初期設定段階でほぼ同時に発声されています。
これは単語が連続で発音される会話の場合も、本来の音が消えたり、複数の母音が一緒に発声されたりして短縮化されます。この音の消滅と、一括処理こそが、英語の速度の源なのです。 これさえ習得すれば、E=mc●という、われわれの次元を超えた世界でも生き残りが可能になるのです。
●=2乗
中野正夫 イフ外語学院学院長
15th May 12
Skypeによる英会話を提供する大手レアジョブは、5月13日にすべてのサービスを停止し、 休止期間が少なくとも1週間から10日間に及ぶ見込みであることを発表しました。