21st May 12
不正解のパターンを知れば、能力以上の得点が可能に
なかなか短期間では成果が出ないのが語学学習です。そこでTOEICやTOEFLでなるべく短期間で結果を出す方法について書いてみます。
両テストとも内容を作成しているのは、米国の非営利団体であるETS(Educational Testing Service)です。これは歴史のある大きな団体でして、テスト内容も非常に優れています。われわれもなるべくその内容に近いものを作る努力をしていますが、知れば知るほどお金をかけて問題を作成していることが分かります。
ETSの問題の特色は、不正解のパターンが決まっている点にあります。問題作成者はマニュアルに添って不正解も作成しなければなりません。その妥当性は問題作成者以外のダブルチェックを受けているようです。
その不正解パターンを知ることで、受験者の英単語力以上の得点が可能になります。英単語力は伸ばした方が良いですが、「英単語を覚えましょう。」というのは当たり前のことで、これは英語学習のアドバイスにはなりませんね。
私はこれまでTOEIC問題集の作成や執筆を4冊程度行ってきました。その中でとっておきの知識としてお伝えしたい不正解パターンは「paragraph writing theory」に基づくものです。この知識はリーディング問題に応用できます。
「paragraph writing theory」は英作文の作法ですが、米国の公式文章はすべてこの作法に添っています。簡単にいうと、段落の分け方、主題を書く場所、結論を書く場所に関する規則です。
基本的には全文の主題は第1段落の第1センテンスに書かれなければなりません。また、この主題の展開が変わるたびに段落を分けなければなりません。
例えば主題が日本の料理であったとすると、それを文頭に書きます。その最初の事例が北海道ならば、これを第1段落で書きます。しかし、次の事例が九州ならば第2段落を作り、この文頭にここから九州の料理について書くことを明示しなければなりません。
また、3つめの事例が大阪ならば第3段落を作って段落の文頭に大阪の料理を明記しなければなりません。そこで、設問が九州に関するものであれば、受験者は第1と第3段落を読む必要がありません。規則で九州について述べられているのは第2段落に固定されているからです。
また、設問の選択肢の中に、大阪や北海道の段落だけで述べられている単語が出れば、単語の意味は不明でも不正解である確率は非常に大きくなります。そして、この不正解パターンはほぼ毎回のテストで出てきます。この知識を利用するとリーディング問題の不正解判定が速くなり、全体としての得点もアップできます。
基礎力の養成と受験知識の両方をバランス良く伸ばすことで、継続的に飽きることなく勉強ができると思います。語学は「継続は力なり」ですが、それならば継続できる方法論も重要だということですね。
中野正夫 イフ外語学院学院長
15th May 12
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